先日、庭でカマキリの姿を見かけました。
春先に卵を見かけ、小さな姿をポツポツと
見かけながら夏を越え立派な姿になったカマキリ。
ですが・・・あまりカマキリが好きだ!
っていう人はいないですよね。
特に女性。
自分は好きですけどね。
小さい頃、よく捕まえて遊んだなあ。
あの、フォルム。
狩りの時の構え。
ハンターって、美しいと思いませんか?
ですが同じハンターでも豹柄は
もてはやされますが
カマキリ柄は無いですよね。当たり前か。
というわけで、そう。
今回のテーマはカマキリ!
時に自分より大きな獲物も仕留める
その能力の秘密に迫る!
まずはカマキリについて学ぼう。
昆虫綱蟷螂目に分類される昆虫の総称。前脚が鎌状に変化し、他の小動物を捕えて捕食する肉食性の昆虫である。
名前の由来は文字通り鎌で切るから鎌切、
もしくは鎌を持つキリギリスであるという説があります。
が、現在ではバッタ目であるキリギリスとは
それ程近縁ではないとされていますので、
後付けですが「鎌を持つキリギリス説」は少し苦しいかも。
現在、全世界には2,000種前後のカマキリが生息しています。
前後に細長い体を持ち、
鎌状に変化した前脚が最大の特徴。
鎌にはびっしりと生えた多数の棘があり、
捕えた獲物を離さない。
頭部は逆三角形で、2つの複眼と3つの単眼
そして大顎があります。
単眼は眼の機能というよりは
光を感知する器官だそう。
複眼とは小さな眼の集合体で、
近くで見ると気持ち悪いアレです。
集合体恐怖症の人は気をつけて。
沢山の眼で獲物を見て、捕えるわけです。
そして、カマキリを近くで見たことある方は
ご存知と思いますが
カマキリには黒目があるんです。そして眼が合うんです。
複眼は一個一個が眼なので瞳孔は存在しないのに。
これは見る角度によって
色素の見え方が違うから。
円筒状の細長い眼が球状に集まって、
先端の円が黒眼になっている、と思ったらわかりやすいですかね。
なので、カマキリの黒眼に
見つめられているわけではなく、
自分がカマキリの黒眼の先に移動している、
ということになるわけです。
この現象を偽瞳孔と呼びます。
カマキリの眼についてもう一つ。
カマキリの複眼は立体視をすることができる!
多くの昆虫は物を
立体で見ることができないんです。
ところがカマキリの複眼は
それを可能にしていて、自身の狩りに役立てています。
頭部と胸部の境、
我々で言うところの首は柔らかく、
複眼と併せてかなり広い範囲を見渡すことができます。
たしかにカマキリの死骸の頭って
プラプラしてて「首を負傷して死んだんだな」
と勝手に思ってました。
カマキリの胸部には耳のような器官があって
その器官では人間が聴くことができない
コウモリの超音波を聞き取ることができます。
つまり、とても耳がいいということですね。
その機能を使って?
コウモリを狩った記録もあるんですって。
成虫には立派な翅(はね)がありますが
多くのカマキリは飛ぶのが苦手で
翅を広げて威嚇に使うことが多いんですって。
卵はゴキブリと同様卵鞘に守られています。
卵鞘は卵と同時に分泌される粘液が
泡立って形成され、螵蛸(おおじがふぐり)
という別名を持ちます。
老人の睾丸という意味なんですが、なるほどな形ですね笑
卵鞘には数百前後の卵が含まれ、
その卵から幼虫が産まれ脱皮を繰り返し
成虫へと不完全変態します。
食事。
前述した通り、肉食性で、
狩りに特化したその体で様々な小動物を捕え
食べてしまいます。
基本的に自分より小さな昆虫や
小動物を食べますが、
スズメバチやオニヤンマなどの大型昆虫や
ヘビ、カエル、鳥やコウモリなど
昆虫以外の小動物を捕食することもあるとか。
鳥?あんなでかいものを?
逆じゃないの?
と思いますがカマキリが鳥を食べるんです。
一番よく食べられている鳥はハチドリで、
捕らえられたハチドリは頭に穴を開けられ、
脳みそを食べられるんですって。バタリアンか。
また、食べ物が無くなると
共食いすることもあるそう。
捕食後、汚れた鎌を念入りに舐めて
掃除する姿はまさにハンター。
また、基本的に生き餌しか食べませんが
目の前で動かしてあげると食べることもあり
これはカマキリの持つ
「動く物に焦点を合わせる」
立体視の仕組みによるところが大きいようです。
また、獲物を狙うときは
前脚を揃えて胸部につけるように折り畳む
独特の姿勢を取ります。
その後、体を左右に揺らし、
獲物をとの距離を測りつつ捕えます。
一方で天敵や大きな相手に遭遇した場合は
翅を広げ、鎌を大きく振り上げて威嚇体制を取ることがあります。
ここでカマキリの行動の最大の謎、
というか悲劇について触れましょう。
そう、有名な?
交尾中に雄が雌に食われるです!
オスが!メスに!食われる!
なんという悲劇でしょうか。
ちなみに交尾前、不用意に近づいただけで
食われる雄もいるそう。
この行為については諸説あり、
雌が自分より小さくて動く物を餌にする習性が
あるからとか(ピストン禁止ということか)
種によっては頭部を食べられた刺激で
精子を発射するとか(なんという性癖でしょう)
雄を食べることでアミノ酸を摂取し、
通常の倍の卵を産めるようになるとか
(済んでから食べてもいいじゃないか)
しかもほとんどの種の雄は頭部や上半身を
失っても交尾が可能で、アミノ酸として
摂取された後でも問題なく交尾可能なんですって。
ただ、この共食い、必ず起こるわけではなく
実際には3割以下なんですって。
よかったね、カマキリ!
カマキリあれこれ
カマキリの仲間には「カマキラズ科」
という名前の通り鎌を持たない種もいるそう。
もはやカマキリと呼ばなくてもいいような。。。
中国にはカマキリの動きを真似た
蟷螂拳という武術が存在しています。
ギリシア神話には
交尾時の共食いの印象から派生した、
メスカマキリを意味するエンプーサという
夢魔が登場します。
出た!メガテン悪魔「夜魔・エンプーサ」
まとめ。
いかがでしたか?
とっても不思議で、興味深く
魅力のある生き物ですね!
とりあえず、人間に噛み付いても
痛いぐらいで害はないので安心して触れ合って下さい。
捕まえたらカマキリの偽瞳孔や単眼、
プラプラする首を見てみて下さい。
きっと気持ち悪いですよ笑