鍼・実践編 症例毎に考察3

症状ごとの考察も3回目を数えました。

自分の引き出しはそろそろ空っぽなので、次は父がしていた鍼を
簡単に書き出していきます。

 

・ぜんそく

喘息には喘息点(そのままやんけ)を使います。
位置的には大椎(第7頸椎棘突起)の周りにあります。

それと、肺兪とか膏肓とか呼吸器系、または
呼吸筋に効きそうなツボを選べばよいと思います。

自分の場合は施術してもらうと、気管が広がったような、
呼吸が楽になる感じがしました。

そういう、わかりやすい感覚を訴えてもらえるといいのですが
多くの場合患者さんはハッキリしませんよね。
鍼そのものにすごく慣れていて、こういう感覚になったら治る、
なんて感覚を持った患者さんも稀ですよね。

いたらいたで厄介だと思いますが。

なので、どこまでやるか、という線引きが難しいと思うのですが
そこは経験を積んで養っていってください。

 

・胃弱

胃が弱い人には脾兪、胃兪、三焦兪、意舎、胃倉、肓門、
それに足三里、上巨虚、条口、下巨虚、解谿、衝陽
を刺激していきます。

しっかりと響かせてやることが大切です。
これも続けることで段々効果を発揮していきます。

中々よくならない腰痛が、実は胃の内臓体性反射で、
胃の鍼をしたら治った、なんて人もいました。

患者さんの話を鵜呑みにしてはいけない良い例ですね。

 

・肉ばなれ

肉ばなれを起こした場合、緊張している筋に散鍼していきます。
そして硬結を見つけたら軽く響かせてやることで
痛みを取り除くことができます。

その上でテーピングして保護してやれば程度にもよりますが
試合等競技復帰できる場合もあります。

ただ、患者さんに無理をさせることが治療の目的ではありませんので
その辺はよく相談して決めるようにしてください。

 

・失声

コーラスの先生が、声を出しすぎると声が出づらくなる、
という症状を訴え来院していて、
天突、鎖骨下、喉頭隆起の周りに刺鍼していたように思われます。
例によってうろ覚えで申し訳ないんですが、
なぜかよく父が「治療は閃きだ」と言っていたのを思い出しました。

閃きだけだとしたら怖いですよねw

 

コーラスの先生本人が、「鍼してもらうと出るようになる」
と仰っていて、定期的に通われていたので、効果はあったのだと思っています。

父は「反回神経」となんとかの一つ覚えのように
いつも言っていましたが、それを刺激するつもりで刺鍼すると
いいかもしれないです。

 

いかがでしたか?
有用なものそうでないもの、自分が知らないだけで
鍼の世界では常識みたいなものも、もしかしたらあるかもしれません。

ただ、その常識が治療の「引き出し」と考え、
それを適正なところで開けられるかどうか、が治療の閃きと呼べるのでは
ないでしょうか。

父を擁護するつもりはありませんが(しろよw)
治療家としてより多くの引き出しを持ち、それをうまく使っていけるか。

そう考えると至極まっとうなことを言っているのだな、
と思えてきました。