外傷「骨折・脱臼」編

自分は、自慢ではありませんが、
あまり骨折・脱臼を扱ったことはありません。

だって骨折れたら病院いきますよね?フツー。
初回にも言いましたが自分だったら行くな、病院。

そんな中、殊勝にも病院に行かず
なおかつ父が自分に任せてくれた数少ない外傷を診たときのことを
お話いたします。

 

まず、ぶっちゃけた話、まだ骨折は見たことありません!
ですが、治療中の事故で骨折しちゃった人、
よく考えたら折れてたよな、という例ならみたことあります。

それをご紹介いたしましょう。

 

まず、治療中の事故の件。

マッサージで背中を押すと肋骨を折ることがあります。
自分は折ったことないですよ?

スタッフが大勢いる治療院で仕事していると
必ず一人二人はいます。
自分とこは3人かな。いましたね。

施術対象の年齢や筋・骨の状態をよく考えて
施術していきましょう。

 

折れると普通ですがボキッと音がするらしいです。
当然のことながら痛いです。
身動きしたとき、息を吸うとき、ですかね。主に。

鑑別方法ですが月並みですが軸圧を加えてやります。
肋骨が撓む感じに力をかけてやる、と。
ポイントは真横ではなく肋骨が後ろにいくにつれ
上に上がっていくことを意識して斜めに力を入れることですかね。

固定法は肋骨バンドやサラシで締めてやる、と。
息を吐ききったとこで締めていくのがポイントです。

期間はグルトの骨癒合日数に従って3週間。

 

次。肩関節脱臼。

これはね、入れましたよ。習慣性の人ですけど。
しかも「コッヘル法」なんていうなんとも痛そうな整復法でw

患者さんが60代女性。
三年に一回ぐらい脱臼するそうです。

そのときは父がヒポクラテス法で何回か整復を試みたけども入らなくて
「おい、お前、コッヘルやってみて。コッヘル。」

で、ホント教科書通りにやってみた結果、入りました。
ゴクンと。
内転→外旋のときに入りましたね。
無かった上腕骨骨頭がグイっと現れましたよ。

「入ったからもういいわ」なんて喜んで帰って行きましたが
三角巾で吊るぐらいはするべきだったかな、と思いました。

 

次。顎関節。

これもね、入りましたよ。習慣性の人だけど。
口内法でしましたが、口外法の方が手軽そうだけど、
やめといた方がいいかもです。
口外法だと下顎骨を下げられないんじゃないかと思いました。

患者さんは30代男性。
朝、アクビをしたら右の顎関節が抜けたそうで、
この方は数か月に一度外すそうです。

自分は学校で習った通り、仰臥位でやりましたが
後で座位の方が簡単だよ、と言われました。
確かに座位の方が簡単そうですね。

まずは両母指にガーゼを巻きます。
習慣性の方なんで(失敬)遠慮せずに口に両母指をツッこみます。
そして両母指を奥歯の上にしっかりと置き、思い切り下方向に押し下げます。
このときアゴが下に伸びる感覚を感じるぐらい押します。

ハイ、ここで出てきます、教科書的表現、
「船底状」。

下方向の圧を維持したまま奥に押し込みつつ
力を抜いていく感覚です。
関節結節を乗り越えるようなイメージです。
一回失敗しましたが(ほひぃ(おしい)と言われた)
無事に入れることができましたよ。