実践編 なぜ押手が重要なのか、具体例を挙げて説明します

鍼の技術の中で、刺鍼と同じぐらい
大事なものに押手があります。

押手とは利き手で鍼を刺入するとすると、
逆側の手です。
多くの場合左手だと思うんですが、
これの役割が非常に大切です。

今回はこのことについて詳しく説明していきます。

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1.鍼をツボにナビします

 

なぜ押手がそんなにも大切か、についてです。

自分の場合、鍼施術をする際右手に鍼を持ち、
左手でツボを探ります。

「ツボを探る」

ハイ、この時点でもう右手の役割を抜いたかも笑
ツボを探るということは
施術箇所をナビするわけですね。
どんな名人も現場に到着できなければ腕を発揮できません。

同様に鍼を持った右手だけでは
ツボを探ることはできないんです。
器用な人はできるかもしれませんが僕にはできません!

次。

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2.硬結のさらに中心をさぐる

 

これはツボを探る、
のよりツッこんだ役割なんですが
以前説明した、施術部位の硬結を探るのに左手を使います。

これはサワサワとさするように
撫でただけでは分からないんです。
僕はね。

達人は触れた皮膚の状態だけで
ある程度予測できるかもしれませんが
僕は達人ではありませんので・・・

 

ので、まずは少し圧をかけながら
指をすべらせていきます。

その状態でも硬結はわかるのですが、
鍼で狙う硬結はそのもっとも中心の芯の部分なのです。

硬いところの中のさらに硬い所を探すのですから
表面だけではわからないのです。
硬結をグリグリ動かすように深い所を探ります。

 

グリグリしてると段々硬い所がわかってきます。
そのグリグリするんが結構な力を使いますんで
自分の場合マッサージをするより疲れます!
一日中マッサージするより一日中鍼する方が疲れるかもしれないです。

それほど強い力を指先の一点に集中し、
また精神も集中させて芯を探るのです。

 

そうやって苦労して探し出した芯を
逃がすわけにはいきませんよね?
逃がさないようにグリグリした圧を緩めないで
指で挟んだり、手繰り寄せたりした状態のまま押手を作っていきます。

 

大変でしょ?
自分はバネ指になりました笑

 

こうして芯を逃がさずに押手を作り上げ、
めでたく刺鍼できた暁には
ズキューン!と脳天を直撃するような
響きが得られる、かもしれません。

次のポイント。

 

3.切皮、刺入時の注意点

 

切皮の際、押手で皮膚を張らせることで
切皮時の痛みを軽減する。

 

これは嫁さんから習ったのですが、正直、
苦労して押手を作り上げた状態で
更にそれをずらさないように
皮膚を突っ張らせることは自分には無理です。
余裕のある人はチャレンジしてみてください。

 

次のポイント。

押手の力を均一にかけることで
美しくまっすぐ立った鍼を刺す。

 

これはあまり治療効果には関係なさそうですが、
例えば何本か刺して置鍼している鍼が
あっちゃこっちゃ向いてると
あまり上手そうには見えませんよね。

刺されてる患者さんもわからないし、
完全に自己満足の世界ですが
整然と美しく鍼が並んでいる方が上手に見えますよね。

 

押手の圧が均一でないと
例えば皮膚の高さが違ったりして
真っ直ぐ立たなくなります。そうゆうことです。

ただ、これも皮膚を手繰り寄せたり
グリグリした状態で
さらに力を均一に、なんて無理な話なので、
突っ張りの話同様、余裕のある人はチャレンジしてみてください。

少なくとも、自分には無理ですが笑

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