外傷「捻挫」編

外傷編もついに三回目を迎えました。

三回目となる今回は今まで散々扱ってきた
「捻挫」です!

今まで扱ってきた捻挫は筋・腱・靭帯の損傷はあるが
固定することによって筋の硬直、弱体を招き
結果、固定しない方がよいものばかりでしたね。

ですが今回は損傷の度合いが大きく、固定した方がよいものを
取り上げていきます。

中でも来院頻度が高い「足関節」を
とりあげたいと思います。

 

足関節捻挫の発生

 

足はどういうときにくじきます?

段差でカクッ。運動中に人の足を踏んでカクッ。
そんなところでしょうか。

では、捻挫が起こるとは、どのような状態なのでしょうか。

捻挫の定義:
捻挫とは、関節にかかる外力により非生理的運動が生じ、
関節を支持している靭帯や関節包が損傷すること、だそうです。

要するに、関節に無理な力がかかって靭帯が傷つくわけですね。

 

その傷つき方によって三段階に重度が分けられます。

Ⅰ度:靭帯が伸びた程度。
Ⅱ度:靭帯の部分断裂。
Ⅲ度:靭帯の完全断裂。

伸びる?伸びるってことは切れてるってことですよね?
まあいいか。

そうそう。
完全断裂って起こると痛くないって本当ですかね?
ウチにもアキレス腱にバシッと音がして痛くはないんでけど
歩けない、なんて人が来てました。
アキレス腱断裂してたけど痛くないって言ってたよなあ。

 

とりあえず、切れたら繋がないといけませんよね。
病院に行って骨に異常がないからシップ貼って放置されました、
なんてよく聞くのですが、それじゃちゃんと繋がらないです。

切れた断端同士を寄せた状態で固定しないと、伸びたままになります。
伸びたままだと関節が緩くなります。

その上、リハビリをちゃんとしないでいると
筋の硬結が取れずにいつまでも痛い、なんてことになり兼ねないのです。

それを防ぐために一週間はテーピングするなりして固定し、
ちゃんと痛みが取れるまでマッサージなど後療法をしっかりすることです。

そうすることでケガをする前の状態に近づけていきます。

では、具体的な解説をしていきます。

 

一般的に足関節を捻挫した場合その大部分は前距腓靭帯に発生します。
外くるぶしの前下方ですね。

そこに内返しの外力が働き、靭帯が損傷されます。

 

自分も10年前ぐらいになるかな?
やりましたよ。ゴルフ場で。

カート道路の端が崩れてて、カートに乗り込む際に捻りました。
確か3ホールぐらいで受傷したんですが根性で18ホール周りきりました。

あんときは父に見てもらったんですが、思うに折れてましたね。
外果の剥離骨折。
だってグキグキグキってすごい音がしたしすごい痛かったですもん。
めっちゃ腫れたし。内出血も酷かった!
頼むぜ、おやじ・・・。

 

まず、内返し捻挫なので足関節を背屈させながらテーピングしていきます。
固定なのでホワイトテープで。

一週間固定するのでかぶれを防ぐため、またあまり厳重に固定すると
窮屈なため患者自身が外してしまったりするので簡易的なテープを目指します。

具体的には10ぐらいあるんですかね?足関節のテープの手順。
その八の字帯のみを使います。

ポイントは内から外へ巻くときに外返し方向にテンションがかかるように巻くこと。

あとはシップして包帯巻いて終わり。

患者さんにはRICEを心掛けてもらうよう指導します。

 

一週間の固定期間が過ぎたら後療を開始します。
前脛骨筋の硬結を取ることが治療のメインになります。

筋の硬結を取り除き、関節可動域を広げる。
痛みがなくなったら治療は完了です。