前回、鍼は安全だし、痛くも怖くもないんだよ、
という話をしました。
今回は自分がどういうルーツで、
どういう考えのもとに今の鍼のスタイルで
施術しているのか、を紹介したいと思います。
師匠は、嫁さん?
現在、自分は鍼を刺しては抜いて、
を繰り返すスタイルで治療します。
これは、鍼師である自分の父親から、ではなく
同じく鍼師である嫁さんから教えて貰いました。
父は、鍼を最大12本刺して、パルス通電します。
自分も、小さいころからそれは受けてるし、
電気鍼自体とても気持ちよくて、
効果も高く、大好きです。
しかし単価が高いので、
もっと気軽に鍼を体験してもらいたい、
という点から鍼を一本使い、少ない経穴数で
短時間で効果を出す、
嫁さんの手技を取り入れて行なっています。
結果的にその方が労力がかかる割に単価が安い
という残念な状態になってますが笑
やはり、大事なのは「感覚」
こういうスタイルでする上で一番重要なのは
「手の感覚」です。
経穴はもちろん意識するんですが、
「この症状だからこのツボを処方して」
とか定型的なものはあまりなく、手で触れて感じた硬結に刺鍼していきます。
これは自分の
マッサージのスタイルともよく似ていて、
感じた硬結を手でほぐすか、鍼でほぐすか、
の違いと自分では思ってます。
当然、鍼の方が刺激も強く短時間で効果を得られます。
急性腰痛の項で、
ひどい状態のものは鍼をすすめます、
と申し上げましたが、
これは急性で炎症が強くあればあるほど
手をかけずに短時間で結果を出さなきゃいけないからです。
ですので鍼がもってこいなのです。
自分の場合、まずは定型的に
(定型はあまりないと言いながらいきなり)
腸骨翼をさわり、L4・5間に触れます。
その時、皮膚が硬いような、表面の硬さ
を感じたらまずは散鍼をしていきます。
そうすることで表面の緊張がとれていきます。
その後、触れる指を少し押し込んでいき、
奥の硬結を探していきます。
ここで手の感覚を最大限発揮してください!
その硬結ですが、マッサージのときに感じる硬さ、
ではイマイチ足りないんです。
その硬さの中にもさらに策状になっていたりまだらになっていたり。
そんなところを敏感に感じ取っていきます。
硬結に触ったらそこを保持したり、
突っ張らせたりして
なんとか皮膚内で動かないようにして
押手を作ります。
あとは中で硬結が逃げないようにそこに刺鍼していきます。
自分の場合、これができるようになって
飛躍的に響かせられるようになりました。
さすがに、痛くない鍼だけじゃ患者さんも受けてる感じしませんもんね。
そこで鍼先に硬いものを感じる、
薄い紙を貫いたように感じる、
など色々感じ方ありますがそれが得られたら抜鍼します。
ここまでを一つの流れとし、
筋肉に沿って、経絡に沿って
次々に刺鍼していくのです。